競馬を遊んでいる皆様は競馬で得た払戻金が税金として課税対象になるのは知っていましたか?
万馬券を当てて大金の払戻金を得て豪遊してしまう方もいますが、後になって税務署からの通知が来て顔が真っ青にならないように今回は競馬にかかる税金について詳しくご説明します。
目次
競馬の税金の考え方
税金の一般的な計算は簡単に説明すると。
(収入-経費)×1/2=課税対象額)となります。
競馬の払戻金に対する税金の計算は、
収入=払戻金 経費=馬券購入代になります。
すごく簡単に説明していますが大体こういうものだと覚えておいた方が良いと思います。
次からは更に詳しく見ていきましょう。
競馬の払戻金は規模によって所得の種類が変わる!?
競馬で当たった際の払戻金には、所得税がかかります。
所得税を計算するにあたって、所得は10種類に分類されるのですが、一般的な競馬観戦者が得た払戻金は、「一時所得」に分類され、所得税が課せられることになります。
尚、一時所得とは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」と定義されています。
つまり、仕事をして得た給料や不動産の譲渡などで得た所得以外の一時的に受け取った所得のことを一時所得といい、競馬などで得た払戻金も一時所得に該当します。
競馬の払戻金の場合の一時所得は、次のように計算をします。
(1年間の馬券の払戻金合計-1年間の当たり馬券の購入費合計額-50万円)×1/2
尚、上記に記載している50万円は特別控除額といって、上限50万円まで収入から差し引くことができます。
例えば、1年間の馬券の払戻金合計が200万円、1年間当たりの馬券の購入費合計額が60万円だとすると、下記の計算により一時所得は45万円となります。
(200万円-60万円-50万円)×1/2= 45万円
又、今まで説明したのは純粋な所得税の計算の仕方で、ここに更に個人毎の税率をかけます。
会社員の場合は、一般的税率が30%(所得税率20%+住民税率10%)となりますので、競馬の払戻金にかかる税金は約13.5万円(45万円×30%)となります。
尚、1年間の払戻金から当たりの馬券購入費用を差し引いた後の金額が50万円を超えない場合には、一時所得が0円となりますので、税金がかからず確定申告も必要ありません。
1年を通して差し引き50万以下の場合は税金がかからないということですね。
悲しいことですが負けている方には税金がかからないということになります。
例外的に雑所得になる可能性も!
競馬にかかわる税金は「一時所得」に該当すると述べましたが、例外で競馬の払戻金が「雑所得」となる可能性もあります。
「雑所得」というのは、給与所得や事業所得、一時所得など色々な種類の何れにも該当しないものをいいます。
雑所得にあてはまる場合とは「馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分される」とされています。
少々曖昧ですね、もうちょっと踏み込んでみましょう。
たとえば、馬券の購入を機械的に大規模に行っていて、その事実を証明する記録が残っている場合には雑所得に該当する場合があります。
実際に馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用し、年間を通じて利益が出るように一定の購入パターンを組んで利益を得たという事例で、雑所得とされた例もあるようです。
一時所得ではなく雑所得とされた場合にも、基本的な所得計算の考え方は同じだそうです。
収入から費用を差し引いて所得を計算することになりますが、いくつか違う点がありますので、次にそれぞれの違いについてみていきましょう。
雑所得ではハズレ馬券を捨てないほうが良い可能性も!
雑所得の計算の仕方は、一時所得と若干違い下記のように計算します。
雑所得=1年間の馬券の払戻金合計-1年間の馬券購入費合計(ハズレ馬券含む)
一時所得と雑所得の一番違う点は、ハズレ馬券購入費用も収入から差し引くことができることですね。
他にも50万円を差し引くことができるか、最後に2分の1を掛けるか等も違いますね。
競馬の確定申告はどうやればいいの?
確定申告をする際は計算により出した税額を提出して支払う必要があります。
まずは税金がいくらかかるのかシミュレーションしてみましょう。
たとえば、払戻金が200万円で当たり馬券購入費が100万円、ハズレ馬券購入費150万円というケースを前提に、一時所得と雑所得それぞれどのようになるか、計算をしてみます。
尚、税率は所得税・住民税あわせて30%として計算します。
一時所得の場合
1年間の馬券の払戻金合計200万円-1年間の当たり馬券の購入費合計額100万円 - 50万円)×1/2=25万円
一時所得25万円×30%=税額7.5万円
雑所得の場合
1年間の馬券の払戻金合計200万円-1年間の馬券購入費合計(100万円+150万円=△50万円
雑所得は50万円の赤字となり、税金は0円となる。
一時所得の場合は7.5万円の税金がかかるのに対して、雑所得の場合はハズレ馬券の購入費用も収入から差し引くことができるため、所得が赤字となり税金が0円となるので、雑所得のほうが有利となります。
但し、国税庁の見解としては雑所得に該当する場合は特殊な例なので早々雑所得とされることは非常に稀です。
一般の競馬愛好家の方については、一時所得に該当し、ハズレ馬券の購入費用は収入から差し引くことはできないとされることがほとんどの為、注意をしてください。
確定申告書は税務署で入手するか、国税庁のウェブサイトで簡単にわかりやすく入力できるサイトがありますのでインターネットで検索をしてみてください。
競馬で儲けた払戻金については、勤務先から受け取る源泉徴収票をもとに確定申告書に給与所得に関する情報を記載し、確定申告書の一時所得または雑所得を記載する欄に、先ほどの計算式により算出した所得を記載して最終的な税金の計算をすることになります。
又、確定申告書と一緒に源泉徴収票も添えて税務署へ提出します。
尚、1年間の馬券払戻金合計がわかる資料と1年間の当たり馬券(雑所得の場合はハズレ馬券も)は提出する必要がなく、ご自宅で根拠資料として保管しておけば問題ありません。
みんなでお金を出し合って馬券を購入した場合は?
競馬を遊ぶ人の中にはみんなでお金を出し合って馬券を購入して払戻金を分配する方もいるでしょう。
その場合の税金の計算はどうするのでしょう?
これは税務署の方でも判断が難しいですが、基本的には実質的に判断されることになります。
これは分配金を受け取った人に課税されることになります。
お金を出し合って馬券を購入すると、どうしても馬券代は高額になりますので何かしらの根拠となる帳簿などをつけておけば安心でしょう。
尚、代表者が購入して儲けを得たと客観的に見えてしまうと代表者に所得税が課税され、各々に配分した儲けは贈与として贈与税が課されてしまう可能性があります。
贈与税の場合また計算式が変わりますので計算が非常に面倒になります。
帳簿はそれを防ぐ目的になりますのでつけておいて損はないと思います。
宝くじは課税対象じゃありません!
余談ですが競馬で儲けた払戻金は課税対象になると書きましたが、なぜか宝くじは課税対象になりません。
それは既に税金が徴収されているようなものだからです。
一般的に、宝くじの購入金は約40%が収益金として発売元の都道府県などに納められ、教育や福祉などに使用されています。
よく公園などで見る遊具に寄贈元として記載されていますね。
宝くじを購入した場合は、その時点で税金を払っているような仕組みとなっているので、所得税の課税対象にしてしまえば二重課税になってしまう為、宝くじには税金がかからないと言われているのです。
では海外の宝くじに当選した場合はどうなるのでしょう。
海外旅行や海外出張の際、海外で売られている宝くじを購入する機会もあるかもしれません。
海外の宝くじに当選した場合には、日本で税金がかかることになります。
海外で当たった当選金は、日本の税金が徴収されていないため、一時所得として所得税を計算することになります。
尚、外国の宝くじの当選金については、その国でも課税がされる場合には日本と購入した国の税金について二重課税となるので、「外国税額控除」という制度が適用されるようですが、難しい制度ですのでそのような場合には専門家に聞くことをお勧めします。
競馬の払戻金を脱税したらバレる?
競馬で的中した場合、課税対象となるといままで述べましたが。
それを隠して払戻金を全てもらってしまうと、それは脱税となります。
例え隠したとしても何れはバレてしまうでしょう。
ですが、もし脱税がバレてしまうと税務署から通知が来るのですが、本当に来た人はいるのでしょうか?
どうやらほとんどの方が通知が来ないのが現実なようです。
しかしバレていないわけでは無い様です。
次にその理由について説明していきます。
税務署から通知が来た事例はあるの?
税務署からの通知があるかないかを調べた所、それはあると答えます。
ですが上記に述べたようにほとんどの方が通知が来ないそうです。
その理由としては、競馬は公営ギャンブルですので売り上げの一部は国に納めます。
通知をやりすぎると、競馬ファン離れが加速する為にあえて通知しないことがあるそうです。
仮に、マイナス収支だったとしても課税対象になれば支払わなくてはいけません。
競馬ファンからするとやってられませんね。
そのため競馬の税金についてはJRAも積極的に動いてはいないそうです。
ちょっとした獲得金であれば、税務署から通知がくる事はほぼないと思って問題ありません。
ただし、税務署は銀行の口座を見ていますので、必ずしも通知が来ないわけではありません。
税務署が行う調査には反面調査というものがあり、税務署は個人の銀行口座を調べる事ができます。
競馬で儲けた大金の払戻金が銀行に入っている事が税務署の目に留まれば、通知が来る可能性があります。
又、現在はどうなっているのかわかりませんが、2013年に国税庁が競馬における税金について、今後整備していくと発表したので今後は厳密に調べられるかもしれません。
競馬で大金の払戻金を得たとしてら、こちらから税務署へアクションをかけたほうが無難ですね。
税務署から通知が来やすい人は?
脱税をほう助しているわけではありませんが、税務署から目を付けられやすい人というものは存在します。
主に1回の入金額が200万円以上ある人や、メディアに出ている人などは税務署に目を付けられやすいですね。
過去に芸人が数百万を当てたことで話題になりましたが、おそらく後日に税務署から通知が来ていると思います。
まとめ
今回は競馬の払戻金の課税対象となることや確定申告の仕方までご説明しましたがいかがでしょうか。
ここまでお伝えしても、払戻金の脱税をする方は多いので。
注意喚起として記事を書かせていただきましたが、脱税は犯罪なので絶対にやめましょう。
仮に万馬券が当たりましたら、隠そうとせず税務署に報告して正当な金額をもらいましょう。