競馬には騎手の体重と騎手が身につけるものの重さを測るって知っていますか?
競馬の騎手は、斤量と呼ばれるものが存在します。
騎手の体重と合わせて装備しているものでハンデをつけたり、細かな条件があります。
これは、競馬の騎手を平等にしてレースが出来るようにJRAが決めたルールです。
今回は、その負担重量を紹介し、競馬予想に関係するのかご紹介します。
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目次
そもそも負担重量って何?
負担重量とは騎手に関しての内容になります。
この内容を知っている方は結構な競馬ファンだと思います。
逆に素人の方は、負担重量を知っていると、少し競馬通に見られると思います。
「負担重量」とは、レースに出る馬の背中に載る重量のことで、「斤量=きんりょう」、あるいは英訳して「ハンデキャップ(ハンディキャップ)」「ハンデ」とも呼ばれています。
具体的には、騎手の体重・騎手の着る服装や馬の装具(鞍・重量調整用のおもりなど)の重さをすべて合わせたものです。
ただし、騎手のゴーグルの重さなどはこれに含まないこととなっています。
負担重量のルールについて
負担重量のルールは複数ありますので、細かくご説明します。
負担重量の決め方は大きく分けて二つ存在します。
一つは、すべての出走馬を同一の条件下に置いて、最も強い競走馬を決めようという方法であり、競走馬の年齢、および性別だけで負担重量を決めます。
馬齢重量戦(馬齢戦と略される)や定量戦がこの方法に含まれます。
一方で、出走メンバーを多様化し、出走馬間の勝利できる可能性の差を縮めるため、強い馬と弱い馬の間にハンデキャップを設ける方法もあります。
現在の競馬においては負担重量を変更することによってハンデキャップをつけます。
別定戦もしくはハンデキャップ競走はこの方法に含まれます。
かつては競走馬の体高に基づいて負担重量が定められることもありました。
日本やヨーロッパのグレードワン・グループワン競走(最高位の格付けの競走)は、そのほとんどが定量戦です。
一方、アメリカやオーストラリアなどにはハンデキャップのグレードワン競走もあるなど、その扱いには差異があります。
日本の中央競馬の場合、グレードワン競走は定量戦(秋華賞・菊花賞・阪神ジュベナイルフィリーズ・朝日杯フューチュリティステークス・ホープフルステークス以外)あるいは馬齢重量戦(秋華賞・菊花賞・阪神ジュベナイルフィリーズ・朝日杯フューチュリティステークス・ホープフルステークス)で行うとしています。
日本の中央競馬を例とすると、規程上は以下の3つが存在しており、このうち(3)についてはさらに二つに分けられていますので紹介しましょう。
(1) 馬の年齢によるもの(馬齢重量)
(2) ハンデキャップにより定めるもの
(3) 馬の年齢、性、収得賞金の額、勝利度数その他の競馬番組で定める条件により算出するもの
この3つが基本的に負担重量をつける条件になっています。
また、負担重量をに関して、条件付きのレースがありますので、紹介します。
馬齢重量戦
次に紹介するのが、馬齢重量戦です。
馬齢重量戦(馬齢戦とも略される)とは、馬齢重量表に従って馬の性別と年齢のみで負担重量が決定される競走のことです。
現在の中央競馬においては、馬齢重量表は2歳と3歳の分しか定められておらず、4歳以上の馬も出走できる競走には用いられていません。
これは、3歳以上ならびに4歳以上の競走において、3歳(年明けの4歳)と4歳以上(同、5歳以上)が距離区分に応じて同一時期でも負担重量の差が変更される措置を導入したことによるものです。
定量戦
次は、定量戦になります。
定量戦とは、馬の性別や年齢のみで負担重量が決まる競走のことです。
競走ごとに負担重量を決めることが可能であり、特定の年齢(大体は2歳、3歳)において大きな減量を行うなどの優遇策をとり出走を促すこともできます。
優勝劣敗の原則に沿いつつ、(馬齢戦に比べて)競走ごとの個性を出すことも可能になっています。
なお中央競馬の場合は、基本となる重量が変動することはあるものの、馬齢による減量ぶんは固定となっています。
別定戦
次は、別定戦になります。
別定戦は、馬の性別と年齢で定められる基準重量に、その馬の獲得した賞金(競走によって収得賞金、番組賞金、総獲得賞金など用いられる値が異なります。
収得賞金などの用語は日本の競馬の競走体系を参照)の額、勝利度数、過去に勝利した競走のグレードなどによって重量が加算され、負担重量が決定される競走のことです。
重量を定める条件を付けて「賞金別定」「グレード別定」などと記載することもあります。
一部、加増重量の上限がない競走も存在しており、この場合は計算上であるが負担重量が非常に大きくなることもありますので、注意です。
ハンデキャップ戦
最後に、ハンデキャップ戦になりますね。
全出走馬が近いタイムで競走できるよう、ハンデキャッパー(ハンデキャップ設定者)の判断により負担重量に差をつける競走であります。
人手で負担重量を設定するところが別定戦とは異なります。
競馬予想は負担重量が重いと遅くなる説について
400kgを超えるような体重の馬に、55kgや57kgの斤量を乗せて、そのたかだか2kgほどの斤量差や増減で競走能力に変化があるのか?競馬ファンでも考えますよね。
昔に、中央競馬にハヤブサペコチャンという馬がいました。
この馬は500万下クラスの時に札幌競馬場のダート1700mで55キロの斤量で1分45秒8の時計を出しています。
しかし、2勝クラスになって負担重量51キロにも関わらず、同じ札幌競馬場のダート1700mで1分46秒1で走っています。
この時の方が斤量が軽く、しかも馬場状態は「やや重」で水分を含んでいて、乾いた良馬場よりも速いタイムが出やすいの状態での話です。
馬場がスピードが出やすい馬場であり、かつ斤量が4キロも減ったのに、走破タイムが遅くなった事例は他にもあります。
その為、斤量が重い=遅いという考えは何か間違っているんじゃないか?という考えも出来ますね。
昔からよく言われるのが1キロ≒1馬身≒0.2秒という仮説が存在します。
しかし、先程のハヤブサペコチャンの事例を見てもイマイチ納得しきれない、説得力に欠けると思うのが個人的意見です。
負担重量が競走馬に与える影響
実はサラブレッドの疾走する速度ぐらいになると、斤量の1キロやそこらの重量は最高速のスピードにはほとんど影響がありません。
速度の速い物体の場合、スピードが最高速以上に上がらない理由は重量ではなく空気抵抗が殆どの原因を占めるからです。
以前、ミニ四駆におもりを載せて走らせる実験をした事があります。
その時の重量別の走破タイムのグラフですが、やはり重いほどタイムがかかっているので、重さが「走る」という事に何らかの影響があるのは事実です。
2000gを超えるとミニ四駆はピクリとも動かなかった事から、競走馬もあまりに斤量が重すぎて、馬がまともに走れないほどの重さだったら、空気抵抗どうこうではなく重量そのものが走りを遅くさせると言えますよね。
安全な私有地内で自転車の二人乗りをすれば、一人で乗ってる時より二人で乗った時のほうが多くのパワーを必要とするという理屈は簡単に理解できるでしょう。
それもスピードによる空気抵抗よりも重量そのものがトップスピードに影響してますよね。
競馬でも騎手が落馬した空馬(からうま)がトップでゴールするのはよくある光景ですから、重さも走りに影響があるのは間違い無いです。
しかし、空馬は他の馬と比べて40キロ以上軽いのですから、さすがにそこまで軽ければ、違う結果になるという話です。
競走馬の場合、スタートの瞬間、スタートしてある程度流れが落ち着くまでのダッシュ、あとはラストスパートで速度を上げる時、この部分に重量の影響が出るでしょう。
他にも上り坂があると重量の影響が出やすいですね。
もっとも、多くハンデ戦が行われているのが1200m戦だという事を見ても、やはり最高速やスタミナではなく、瞬発力に斤量の影響が出やすいと判断できそうです。
ミニ四駆の大きさやパワーに対して2000gは相当な負荷ですし、自転車に2人が乗れば単純に重さは2倍になりますが、それでも動かないほどではありません。
恐らく前走で57kg背負ってた馬がハンデ戦で59kg背負ったとしても、馬が「もうムリ!重たくてかなわん!」とはあまり思ってないんじゃないでしょうか?
実際障害レースの馬でオジュウチョウサンは、63キロで障害飛越が必要な中山グランドジャンプを勝ってますからね。
サラブレッドにとって57キロや58キロなんて、少なくともまともに走れなくなるほどの限界値では無いはずです。
騎手は常に軽量でないといけない!
騎手は常に体重をコントロールし、軽量を維持していなければなりません。
その理由は、レースによって騎乗する各馬が背負う【負担重量】というものが決まっているからです。
上記でも説明しましたが、負担重量に含まれるのは、騎手の体重と所定の馬装具類(鞍・腹帯・鞍下毛布・あぶみ等)の合計の重さです。
ヘルメットやゴーグル、ムチ、手綱、頭絡、ハミ、メンコ、ブリンカー、シャドーロールなどは含まれません。
そのため騎乗予定の馬の負担重量が50キロ以下の超軽量だった場合、ダイエットも余儀なくされます。
逆に負担重量に満たない場合は、100~500グラム刻みの鉛等を装着して重量を調整します。
出走表☆△▲のマークの意味は?
スポーツ紙や出走表、競馬専門紙の騎手の欄には☆、△、▲印のついている騎手がいます。
この騎手は騎手デビューして3年未満で80勝以下までの騎手であり、レースの時、減量のという特典があり、減量騎手と呼ばれています。
但し、女性に騎手に関してデビュー後、3年以上経過しても☆(最大3キロ減)です。
この女性騎手に関しては新しく、ルールが適用されたので紹介します。
19年3月から女性騎手の負担重量を永久減量
日本で、唯一の女性騎手と言えば、藤田菜七子騎手です。
現在は、彼女のルールと言って過言でもありませんが、JRAが新しいルールを発表しました。
日本中央競馬会(JRA)は2018年11月20日に、女性騎手の騎乗機会拡大を図るため、女性騎手に対する負担重量(馬が背負う騎手、鞍などの総重量)の減量制度を、2019年3月1日から導入すると発表しました。
免許取得後5年未満の騎手には勝ち数に応じて負担重量の減量(最大3キロ)が適用されるが、男女差はありませんでした。
新制度では、女性騎手は50勝以下は4キロ減、51勝から100勝までは3キロ減、免許取得後5年以上か101勝以上でも2キロ減と、永続的に減量対象となります。
しかし、重量を含む特別競走では適用されません。
JRAでは2016年にデビューした藤田菜七子騎手(21)が新規ファン獲得に貢献していますね。
同騎手は通算49勝(地方含む)を挙げ、現行の減量制度ではあと2勝で今の2キロ減から1キロ減になります。
しかし、新制度では21年春までか、51~100勝まではデビュー当時と同じ3キロ減、それ以降も2キロ減で騎乗できという事になります。
女性と男性の肉体では、脂肪なども違いますからね。
これは、藤田菜七子騎手にとっては朗報だと思います。
競馬予想に使える負担重量のまとめ
今回は、競馬予想で負担重量は関係するのか?という疑問に対してまとめました。
結果的に個人的な意見では、予想に大きな差は出ないと思います。
上記の記事にあった通り、何十キロも差がある状態では、確かに差はでます。
しかし、サラブレッドに対して1キロなどの差は特に問題ないと思います。
しかし、競馬では出走表のマークがありますので、条件が付くレースには、多少影響するかもしれません。
その点を踏まえて、競馬予想をすると良いと思います。
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