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競馬詐欺とは?
競馬詐欺は古くからある古典的詐欺手法の一つです。ひと昔前ですと、競馬場や場外馬券販売所などで直接的にお金をだまし取る手法が多かったですが、現在ではダイレクトメールや広告などでインターネット上のホームページに誘導し、電話などで営業し騙すのが主流となっています。
競馬詐欺側が好む手口として、「八百長レースを知っている」「馬主に還元するために着順が決まっている」など、レースの結果が全て分かっているという体裁で、その結果を知る為に情報料が必要になるというのが一般的な騙し方です。
また、最初は少額の情報料を支払わせて、「貰える配当金が増えた」「参加人数を厳選した」などと理由を付けて少しずつ情報料を積み上げていき、段々と後戻りができなくなる「タケノコハギ」と呼ばれる手法も多いです。人間は一度でも支払ってしまうと取り返そうという心理が働くのでそこに付け込んだ悪質な手法と言えますね。
その他にも、自分と電話をしている担当者が情報料金の一部を負担したと偽って、「会社にバレて責任を取らせられる」「上司にバレた」などと客の同情を引き、上司や会社の社長なども次々と登場する劇場版型の競馬詐欺もあります。
どこかオレオレ詐欺に似ているところもありますよね。取れると思った被害者からは最後まで搾り取るというスタイルが多いです。手口は日々進化していますので、このような甘い話には要注意ですよ。競馬には「絶対当たる」や「100%的中する」という事はありません。甘い誘い文句にはくれぐれも注意してください。
競馬詐欺の被害にあったらどこに相談すれば良い?
競馬詐欺被害にあってしまった時に、相談するべき場所の選択肢は無数にあります。
一般的には下記の場所を思い浮かべる方が多いでしょう。
警察
消費者センター(国民生活センター)
探偵、調査会社
弁護士
行政書士や司法書士
ここでは、それぞれの相談先のメリットやデメリット、そして費用面などを検証していきましょう。競馬詐欺被害にあった場合には、まずは落ち着いて冷静になってから行動するようにしてください。
警察への相談
詐欺というのは最も立証するのが難しい犯罪と言われています。競馬詐欺業者から「絶対に当たります」とか「100%的中で間違いない」と言われて情報料を支払った場合などは、詐欺に当たる可能性が高くなりますが、業者もそのへんは理解しているのでそのような確定的な文言は避けて勧誘してきます。また、確定的な文言を使っていたとしても、こちらが電話での会話を録音しておかないと証拠が残りません。証拠がない限りは警察も動けず、民事事件とみなされて介入してくれません。
ただ、ひょっとしたら他にも同じ業者に騙された人が警察に相談している可能性もあります。明確な証拠がない場合でも被害を訴え出ている人数が多い場合には、警察も動いてくれる可能性が高まります。それに、被害届を出しておけば詐欺業者が別件で逮捕された場合などに返金の可能性もあるかもしれません。
念のために警察に相談することは必ずしも無駄なことではないと思います。望んだ回答が返ってくるケースは少ないと思いますが、相談自体は悪くないことです。
・メリット
相談するのは無料で費用はかからない。
・デメリット
証拠が無い場合は介入は期待できない。
消費者センター(国民生活センター)への相談
競馬詐欺被害にあったときに消費者センター(国民生活センター)に解決の糸口を求める人が最も多いのではないでしょうか。警察と同様に消費者センターも証拠がないと動きようがありません。前述しましたが、競馬詐欺側は証拠を残さないように詐欺をすることに細心の注意を払っています。競馬予想サイトなどでも「あくまで予想で100%的中するものではありません」などの文言が規約に小さく書かれていたりもします。明確な証拠を提示できない場合は、あまりアテにならないことが多いでしょう。また、担当に付いた方が競馬詐欺の案件を請け負ったことがあるかどうかでも対応が変わってきてしまうこともあります。
ただ、詐欺側の居場所や連絡先が分かっている場合は、消費者センターの担当者に連絡をしてもらって、返金の連絡を取ってもらうのは悪いことではありません。相手側が事を荒立てたくない場合は素直に返金に応じる可能性もあります。詐欺業者側の心理としては、警察や弁護士にいかれるよりは返金に応じてしまおうというケースもあります。消費者センターへの相談も無駄ではありません。
・メリット
相談するのは無料で費用はかからない。
連絡が取れる業者なら返金交渉もできる場合がある。
・デメリット
証拠が不十分だと動けない場合がある。
不慣れな担当者が付いてしまう可能性もある。
探偵、調査会社への相談
インターネットで「競馬 詐欺 相談」などのワードで検索すると、探偵や調査会社が数多くヒットします。この中には真面目に解決や和解をしてくれるところもありますが、騙された被害者を集め「調査料」などの名目でさらにお金をだまし取ろうとしたり、結局最終的には弁護士に丸投げして中間マージンで稼ごうとするものも多いです。数十万円の調査料を支払ってしまったという、二重被害に合うケースもあります。どうしても探偵や調査会社に依頼をしなくてはならない場合は、どこまで調査するのか、調査結果を元にどうしていくのかの方針をしっかり聞いてから依頼するようにしましょう。調査に必要のない簡単な仕事をして法外な調査料を支払わされないように充分注意してください。
・メリット
居場所が分からない相手の居所や住所をつきとめてくれる可能性がある。
・デメリット
費用がかかる。
調査料名目の二重被害に合う可能性もある。
弁護士への相談
競馬詐欺被害にあった時に、話が早いのは弁護士への相談です。ただし、競馬詐欺案件に慣れている弁護士をしっかりと見極めなくてはなりません。競馬詐欺案件に慣れている弁護士、弁護士事務所であれば、対応や対策などの方針をしっかりと導いてくれます。ただ、もちろん費用がかなりかかってしまうのと、被害金額が少ない場合は引き受けてくれない可能性もあります。少額でも引き受けてくれるかもしれませんが、返金されたとしても弁護士費用で全てチャラなんてケースもあります。弁護士に相談するかどうかは被害金額に応じて決定したほうが良いでしょう。無料相談を引き受けている弁護士・弁護士事務所もありますので、そちらにまずは相談しても良いかもしれません。
・メリット
弁護士が出ることで、詐欺側も素直に返金に応じるケースがある。
詐欺案件に慣れている場合、対応や方針の道筋がしっかりしている。
・デメリット
費用が高い。返金されても成果報酬の支払いでトントンに近くなる場合がある。
被害額が低額の場合は引き受けてくれない可能性がある。
行政書士(司法書士)への相談
行政書士や行政書士事務所の多くは弁護士と提携しています。最終的に弁護士に頼むのであれば、行政書士に頼む必要は無いと思われがちですが、実際はそうでもありません。案件によっては行政書士だけで済む場合もあり、最終的に提携先の弁護士が返金請求をしたとしても、費用が安く済む場合もあります。
ただし、行政書士に頼んでトラブルになっているケースもあります。行政書士が「返金請求」や「解約交渉」等を実施することは、弁護士法に違反している可能性もあり、行政書士が解約交渉等を行うことは認められていません。しかし、行政書士事務所のホームページなどには「スピード解決」や「お金は取り戻せる」などの記載があるために、被害者が自分のトラブルを解決できると誤認してしまう場合もあります。
最終的には、その行政書士が親身になって話を聞いてくれるかどうか、費用が安く済むかどうかですので、その判断が付く場合のみ利用したほうが良いかもしれませんね。
・メリット
弁護士よりも費用が安く済む可能性もある。
・デメリット
トラブルになるケースもある。
まとめ
競馬に関する詐欺被害は、過去から現在まで一定の割合で存在し続けています。「絶対に利益が増える馬券購入方法」「必ず的中する八百長レース」「勝ち馬が決まっている出来レース」などは存在しません。普通に考えれば当然のことで被害者も理解しているはずですが、競馬詐欺業者は巧妙にもっともらしい説明をしてくるので、被害者がどうしても減りません。詐欺の手法にはパターンがありますので、それを覚えておくだけでも予防に繋がることができます。
また、詐欺業者に騙されたとしても慌てず落ち着いて自分に一番合っている場所に相談しましょう。