絶対に当たる、絶対に儲けられる馬券を教える!
こんな広告を打ち出し、言葉巧みにあたかも本当に当たるように思わせて高額な情報料を請求する。
もっともありがちな詐欺手段ではありますが、楽してお金を儲けられるって思ったら心を惹かれてしまう人というのはやはり多いですよね。
目次
競馬詐欺に引っかかる人は多い
競馬情報会社の販売している予想という情報は、基本的にその商品の特性上、返金には応じないとしています。
確かにその情報を手に入れてからお金を返してもらうというのは虫が良すぎますし、実質無料になってしまうので言い分としては正しいです。
ただ、それが嘘の情報であるのだとすれば…お金を返してほしい!となるのは道理ですよね。
しか、この予想を購入した結果、嘘の情報だったとしても実際に100%の金額が返金となるということはほぼありません。
というのも、購入者側にも落ち度があり、それが過失として認められてしまうのでいわゆる勉強代として支払うべきであるというような扱いを受けてしまうのです。
競馬詐欺はこのような部分を駆使して上手く法の網をくぐって行われているわけですね。
ボクサーらによる競馬詐欺の実態
実際にあった、プロボクサーらによる競馬詐欺の事例はどのようなものだったのでしょうか?
ニュースで報道された内容
「競馬で稼ぎたければ、会員になりませんか」などと嘘の電話をして現金をだまし取っていたとして、警視庁捜査2課は、不動産会社役員、U・S(37)=東京都渋谷区南平台町=とプロボクサー、M・J(21)=横浜市鶴見区仲通=の両容疑者ら男4人を逮捕、新宿区内のアジトを摘発した。
同課によると、U容疑者は容疑を否認。M容疑者ら2人は容疑を認め、1人は認否を留保している。
U容疑者らは「競馬情報教えます」などと書かれたダイレクトメールを送付し、電話をしてきた客らに「レースが的中しました。当てるためには、もっとお金を預けて頂けませんか」などと嘘を言って送金させ、払い戻しせずに連絡を断つ手口で、2015年6~9月だけで計2千万円以上をだまし取っていたとみられる。
偽造した万馬券的中証明書を送るなどして、信用を得ていたという。
逮捕容疑は8~9月、千葉県柏市の会社員男性(61)に「競馬で稼げる。もっとお金を預けていただけませんか」などと嘘の電話をして現金計64万円をだまし取ったとしている。
一見普通の会社で詐欺が行われていた
詐欺に及んだ会社にはタイムカードや売り上げ成績表、ノルマ、ボーナスもあり、一見きちんとした会社だったようです。
警察の押収品からは彼らの意外な「真面目さ」がうかがえたとのこと。
ホワイトボードには大きく「全体目標2500」と営業目標らしき額が掲げられ、「ノルマ達成ボーナス!!」と細かく達成基準も示されていたり、ICチップ入りの社員証も作られていて、肩書には社員番号と「営業部部長 馬券投資アドバイザー」などと書いてあったりもしました。
また、パソコンに貼られた付箋には、電話をかける際の注意点が細かく書かれていて、「なまり注意」の言葉のほか、営業トークに使う「サシテモラッテマス」のアクセントの位置の正誤まで矢印で書かれていました。
別の付箋には「ゆっくり ゆっくり…」と9回も繰り返し、最後に「どうどうと!」と自分に言い聞かせるように書かれている。地方出身者で、緊張すると早口でおどおどしてしまう営業マンだったと見られます。
15日間でたった1日しか休みを取っていないというような、やっていることは犯罪だが、仕事熱心な会社員同様の働きぶりが伺えます。
M・Jとはどんな人物だったのか?
M・Jは横浜光ボクシングジムに所属し、2014年11月にデビュー、戦績は3戦2勝(2KO)1分で、ハードパンチャーの良いボクサーだったと言われています。
2015年はフェザー級で東日本新人王にエントリーし、4月の初戦で判定引分けに終わっていました。
現役プロボクサーがなぜ犯行に及んだのか
当時、M・Jはボクシングを続けていくためにとび職をしていましたが、体力的に辛く、もっとボクシングに打ち込めるような仕事に変えたいとジムの会長に話していたようです。
その後、2015年6月頃からジムに来なくなってしまったと言い、心配したトレーナーが連絡を取ったところ
『今仕事夜遅くて、日曜日も休みないです。もう今の仕事辞めたいって話はしてるので時間作れるようにします』
との返信があったみたいです。
どのような経緯で犯罪グループと繋がってしまったのかは定かではありませんが、とび職とは違いデスクワークであったことを考えると、体力面の温存が可能であったことは魅力的に映ったのかもしれませんね。
恐らく入社前の時点では、このような詐欺行為をしているなんてことは知らず、入社させてもらった以上は頑張らないといけないというような男気や気持ちもあって抜けるに抜けられなかったというのもあったのかもしれません。
とはいえ、詐欺行為に加担していたということは当然許されることではありませんが。
競馬詐欺の手法とカラクリ
まず、ダイレクトメールの往復はがきが届く。
ハワイ旅行とかエコカードとかが「当たります」とある。
返送すると、電話がかかってきて、「4万円預ければ、競馬で稼ぎますよ」などと儲け話を持ち掛けてくる。
後日、「当たりました」と「万馬券的中証明書」が送られてきて、「本当に当たった」と喜ぶと、「もっとお金を預けませんか」とさらに金を振り込ませる。
しかし、ある一定の期間が過ぎると、電話がパタリとつながらなくなってしまう。
というような手法で行われていたみたいです。
よくある絶対にあたる予想!という情報を売っていたというのとは少し違うようで、競馬である必要というのはあまりないような、あからさまでわかりやすい詐欺という感じの方法ですね。
その後の裁判、判決などは?
色々と調べてみましたが、最終的にどうなったのか?というのは見つけることが出来ませんでした。
まとめ
ひとえに競馬詐欺と言ってもその手法は無数に存在しています。
ただ、必ずしも情報会社という法人でなければ競馬詐欺が出来ない、というわけではないので個人の集団でこのような行為に及んだというケースもあるわけです。
手法に差異はあれど、やり方さえわかっていれば誰でも出来てしまう可能性があるというのは少し怖いですよね。
プロボクサーが競馬詐欺に関わったという今回のケースを見ると、被害者同様、末端の加害者達もある意味で騙されてしまった結果ということになるのかもしれません。
競馬情報会社を利用している、または利用しようと思っている方々は、本当に気を付けるようにしてください。