競馬詐欺(競馬投資詐欺)は昔からある古典的な詐欺手口の一つで、競馬で必勝の予想を情報料金として支払わせるという手口が一般的です。情報提供の詐欺は競馬場の現場だけでなく、携帯電話の迷惑メールから案内がきたり、折り込みチラシのポスティングなどで競馬好きがつい興味を引かれてしまう内容が届いたりします。
目次
競馬詐欺とは
現代ではインターネットの普及により無数の競馬予想サイトが存在します。ネット検索をして、お金を支払い予想情報を受け取り後からその情報提供サイトがインチキであると気づくケースも多いです。被害者は、競馬予想の情報を購入後に、負けた分と予想の購入代金をさらに競馬で取り戻そうとする傾向があります。その心理につけこんで、より頻繁に案内が届くようになり、気づいた時には後戻りできないほどの金額になっていることもあります。後戻りできず取り返そう取り返そうと、負の連鎖のスパイラルに陥ってしまうのです。
競馬詐欺の手口
ひと口に競馬詐欺といっても様々な手法や手口が存在します。騙されない、引っかからない為にも基礎的な手法は知っておく必要があります。ここでは代表的な競馬詐欺の手口を3つご紹介していきます。
コーチ屋という手口
皆さんは「コーチ屋」という言葉をご存じでしょうか。ひと昔前に大流行した古典的な競馬詐欺の手法で、現在でもその手口は巧妙化され悪質化の一歩を辿っています。
基本的な手法としては、競馬場やWINSなどの施設内で、目を付けたターゲットに「今日は儲かっている」などと話しかけ興味を持たせます。興味を持った人には、「実は〇〇レースは出来レースで必ず勝てる」などと言い、買い目を教えます。買い目を教えた後はコーチ屋はそのターゲットをマークしていて、買い目が当たった場合はどこからともなく現れ払戻金からコーチ料を請求します。また、「私が馬券を買いに行こう」とお金を預かってそのまま逃亡するというケースもあります。
最近では、劇場型と言われる手口も登場してきており、コーチ屋が単独ではなく複数人で詐欺を働くケースも増えてきています。複数のグループで「誘い役」「先生(指南)役」「サクラ役」「金の貸し役」などの役割分担をし、より巧妙にターゲットを誘い込むという悪質な手法も登場しているので、競馬場で知らない人に甘い言葉や誘い文句を言われたら注意するようにしましょう。
新聞や雑誌で勧誘する競馬詐欺
新聞や雑誌に載っている3行広告や、見開きページでの広告で、「確実に勝てる競馬情報」という宣伝文句を見たことはあるでしょうか。それが有名な競馬詐欺の手口の一つとなります。最初は少額の情報量で予想を提供していき、予想が当たれば更に高額の予想を営業し、予想が外れてもこちらの予想なら当たるとこれまた高額の予想を売りつけようとします。どちらにせよ、高額の予想へと段階を得て移行していくという流れです。先ほども記述しましたが、一度でも情報料として支払ってしまうと、予想が当たれば信用して再度情報を購入するでしょうし、予想がはずれたら取り返そうという心理が働き再度情報を購入してしまいます。そうしてズルズルと多額の金額を支払っていき気づくと泥沼に陥っていることは多いです。
競馬はギャンブルですので、過去のデータを参照にしてIT技術を用いたとしても、その予想には限界があります。100%当たる、確実に儲かるなどの必勝法はありえませんので、そのような文言を用いている広告には注意が必要です。
競馬予想サイト、競馬予想会社
インターネットが普及した現在では、何百という無数の競馬予想サイト(競馬予想会社)が存在し日々増えています。実際にしっかりと予想をしている大手サイトもあれば、適当な予想を出している怪しげな悪徳サイトも存在します。
基本的に競馬予想サイトというのは、システムさえあれば一人でも運営できて、参入は非常に敷居が低いので、素人でもできます。
悪徳競馬予想サイトは、「あくまで予想であり的中は100%ではありません。」という文言を武器に、高額の予想プランをあの手この手で購入させようとしてきます。予想が当たった場合は、更に高額の予想プランを提案してきます。予想がハズレた場合でも、あくまで予想なのでと先ほどの文言を盾にしてお客に文句を言わせないスキームをしっかり作っています。つまり、詐欺と立証するのが非常に難しい状況になっています。
もちろん、優良な予想サイトも存在しますし、優良か悪質かを見極めるのは非常に困難と言えます。
悪質予想サイトが好んで使用する文言を下記に記載しておきますので、念のために参考までに覚えておいて下さい。
【最新競馬ソフト、AI】
最新の競馬ソフトや、最先端AI技術を使用した予想などの謳い文句で情報料を支払わせます。実際には運営スタッフが適当に予想をしている場合も多く、そのソフトやAIが実在しているか怪しいサイトが多いです。
【出来レース】
出来レース、八百長レースを知っていて必ず勝てる、などの謳い文句で情報量を支払わせます。実際にこのような情報を知っていたら、他の人に教える必要はありませんので、自分で馬券を購入しますよね。
【関係者情報】
関係者からの信頼情報を仕入れている、なども悪徳予想サイトが好んで使用する文言です。こちらも、その関係者というのは存在せず、運営スタッフが適当に予想をしているケースが多いです。
以上、一部ですが悪徳競馬予想サイトが好んで使用する文言をご紹介しました。実際には、本当に競馬予想ソフトやAIを使用しているサイトもありますので、全部が全部悪質というわけではないのでお気をつけ下さい。ただし、100%当たるとか、必ず的中など、必勝という文言を言い切ってしまっているサイトは殆どが悪質ですので、そのような競馬予想サイトは使わないようにしましょう。
競馬詐欺への返金請求について
競馬詐欺は、甘い宣伝文句で騙そうとする有名な手口です。そして最も厄介なのが詐欺と立証するのが難しいということです。「必ず当たる」「100%的中する」という文言を使っている場合は、電話の場合は録音を、広告やメールやサイトの場合はスマートフォンやPCなどの保存機能で証拠を抑えておく必要が出てきます。
悪質詐欺側も、その点は理解していて文言には細心の注意を払っているケースも多く、「予想はあくまで予想だ」と開き直られると詐欺との立証は非常に困難になります。可能な限り証拠を多く残しておくことが重要となります。
詐欺会社の特定が必要
競馬詐欺の返金請求を行う上で、最初のハードルとなるのが詐欺会社及び詐欺を働いた本人の特定です。競馬詐欺会社(サイト)は、ほとんどが実態のない架空の会社で、記載されている住所も私書箱だったり出た駄目だったりするケールがほとんどです。また、会社を作っては数か月~1年ほどで潰して、新たに会社を作り直すなど、詐欺会社も追われないように対策を練っています。返金請求を行うべき相手や場所が分からないと、請求をすることができません。特定するために、調査会社などに依頼しなくてはならない場合もあります。
返金の請求方法
競馬詐欺会社(サイト)がしっかり特定されている場合に、返金の請求方法は大まかに分けて3つあります。
自分で請求する
消費者センターを通して請求する
弁護士を通して請求する
この3つのパターンが想定されます。一つずつどのようなメリットやデメリットがあるか詳細を検証していきましょう。
自分で請求する
まず一番簡単な方法は、自分自身で返金の請求をすることです。相手の会社に電話をしたり、内容証明などの文書で返金請求をかけたりします。メリットとしては、弁護士などに頼むと費用を抑えることができます。デメリットとしては、悪徳詐欺会社はクレームや返金の連絡には慣れているでしょうから、無理矢理納得させられて言いくるめられる可能性が高まります。ただし、相手としても消費者センターや弁護士には絡んできてほしくないという気持ちもあるでしょうから、少額であれば返金をしてくれる可能性もあります。また、一部返金など全額でないにしろ返金して和解を歩み寄るケースもあります。
消費者センターを通して請求する
消費者センターを通して返金を請求する方法もあります。メリットとしては、こちらも費用がかからずに相談することができます。また、消費者センターの職員はこのようなケースには慣れているのでスムーズに返金請求をかけてくれることも多いです。デメリットは、明確な詐欺という証拠が無い場合などは、消費者センター側も動くことはできません。そして、対応してくれる職員さんの熟練度や優先順位の考え方次第で、若干対応が変わってしまう場合があります。
弁護士を通して請求する
弁護士を通して返金を請求する方法のメリットは一番確実性が高いということです。弁護士を依頼を引き受けて動いてくれた時点で、全額か一部かは分かりませんが返金の請求はほぼ通るでしょう。デメリットとしては、やはり依頼費用がかかってしまう点です。そして少額(10万円前後)では依頼を受けてくれない弁護士も多いです。高額の案件かつ、競馬詐欺会社の詐欺行為が明確な場合には、弁護士に返金請求を頼むのが良いでしょう。
まとめ
競馬詐欺と返金方法の詳細を記事にしてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。競馬という公営ギャンブルが存在する以上、競馬詐欺が無くなることはありません。詐欺の手法を知る事で騙されないよう予防線を張ることができます。万が一、詐欺にあってしまった場合は、一人で悩まずに誰かに相談しましょう。